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台風13号!

指宿で朝起きて一番に窓の外の海を見た途端、「うお~来てる来てる!」。台風13号大接近。
今日はあわよくば薩摩半島の少し南に足を伸ばして、長崎鼻から開門岳を眺めたいなあ、なんて目論んでいた。が、朝食時に宿の人に聞いてみたら、開門岳は見えないだろうと即答された。「それどころか吹き飛ばされますよう!」と断言され、岬訪問は早々に断念。それならそれで、とばかり、11時のチェックインぎりぎりまで朝風呂三昧でのんびり過ごす。
今夜は桜島の古里温泉に宿を予約していたのだが、ニュースの交通情報によれば「桜島フェリー運航見合わせ中」だって。あらら。とにかく鹿児島市まで出て考えよう、とタクシーで指宿駅に行ったところ、JRは20分ほど前に発車した列車を最後に運行中止とのこと。バスも中止。鹿児島に出る手段はタクシーしかないと言われた。うーむー、余計な出費になるけど止む無いか。と、駅の窓口で同じように途方に暮れている若いカップルがいたので、声をかけてタクシーをシェアすることにした。1時間あまりの道連れさんとなった2人は、偶然にも東京都練馬区在住で吉祥寺にもよく出没している由、車中は思いがけず地元ネタで盛り上がった。
さてタクシーは嵐の中、海岸道路をゴンゴン進む。うわ、ホントの「さつま白波」だ。ざっぱーん。運転手さんに「これって大きな台風ですか?」と聞いたら「大きい大きい!」と言っていたが、でも、「こちらの人間は台風が来てもそうそう慌てないよ。来るなら来い、という感じだね。」となんだか泰然としていた。さすが。ちなみにセガレは、タクシーに揺られた途端昼寝タイムに突入し、到着5分ほど前にパチリとお目覚め。タクシー内では一言の声を発することすらなかった。お見事。
鹿児島中央駅に到着したお昼過ぎがおそらく一番ひどい時間帯で、タクシーを降りた途端、数メートル先の駅の入り口まで走る間に、空を飛べそうな気分を味わった。一瞬のうちにズブ濡れになった身を引きずりつつ駅に入ると、新幹線在来線すべてが止まって機能していない改札口を、テレビカメラが映している。私にとっての人生初鹿児島は、非常時っぽさ満杯。
とはいえ私たちも泰然を心がけ、まずは荷物をコインロッカーに預けて、立派な駅ビル(アミュプラザ)の中で時間を潰すことを決め込む。昼ごはんを食べたりスーパーで地元の食事情を覗いたりしてブラブラ過ごした。そうしながらも桜島フェリーの再開をまだ少し期待していたのだが、3時を過ぎて問い合わせたところまだ目処が立たないとのことなので、それじゃあしょうがない。予定の宿をキャンセルし、街なかのホテルを手配し直してタクシーで向かった。和室のある所、と指定したら、天文館(繁華街)のすぐ近くの温泉宿を紹介された。悪くない。
ひと休みしてから17時過ぎに天文館に出かける頃には、雨もほとんど上がって風もだいぶ弱まっていた。長いアーケードの下をブラブラ散歩するうちに、ストップしていた市電(路面電車)も運転再開。台風は九州北部に移動して大暴れしているらしい。
繁華街といっても、デパートをはじめお店の7割方は「台風閉店」でシャッターが閉じている。さびしーい。夕食は、宿で教えてもらった居酒屋さんで黒豚をいっぱい食べてきた。(セガレがゴソゴソのため大慌てで食べたので、およそ堪能という感じではなかったけど(涙))
あ~予測もつかない一日だったが、ともかく飛ばされもせず、無事にフカフカお布団にありつけたので、良かった良かった!

by pi-tang | 2006-09-17 21:36